NFTアートで使用できるフリー素材について

今NFTアートがトレンドになっていますが、実際に参入しているphotoshoperさんやこれから参入を考えている方も多くいると思います。

ただ、そんな中クリエイターとして1つの疑問が浮かぶと思います。

実はフリー素材といっても使用用途には条件があるため、むやみに使用してしまうと“著作権侵害”になります。

ちなみに著作権侵害は“親告罪(しんこくざい)”と言って、告訴がなければ起訴することができない犯罪になるため、どうみても著作権侵害してるでしょってものでもそのままになっていたりするのは著作者が告訴していない、ということが理由の1つとして考えられます。

とは言ってもいつ告訴されるかわからない状態で生活するのはあまり気持ちのいいものではないので、今回は実際にフリー素材サイトに“NFT素材に使用してもよいか”問い合わせをしてみたのでその結果を紹介していきたいと思います。(※あくまでアート素材としての使用のため、素材をそのままNFTアートとして出すのはNGです)

今回問い合わせをした素材サイトはこちら

・写真AC(ACワークス)

・pro.foto

・Pexels

・BURST

・Unsplash

・pixabay(問い合わせフォームがなかったため利用規約から推測)

・iStock(有料素材サイトですが一応聞いてみた)

・Pixta(有料素材サイトですが一応聞いてみた)

ちなみに問い合わせは以下の内容で聞いています。

「NFTアートを作成するために画像の素材を使用したいのですが、その場合、どのようなプラン、どのような画像の加工具合であれば使用できますでしょうか。」

写真AC(ACワークス)

こちらに関しては回答を転載しないでくださいとのことなので、簡単にまとめると、

「素材を含めたNFT作品は例え加工してもダメ!!トレース・模写・描き起こしも加工に含まれるからね!!」

とのことでした。そのため写真AC(ACワークス)の画像はNFTアートの素材としては「使用できない」という結論に至りました。

pro.foto

以下返信内容(一部抜粋)です。

「当サイトの写真素材は、利用規約の禁止事項に該当しない範囲において、商業広告・出版物・看板のデザイン、Webサイトのデザイン、TV番組やCMの映像製作などに無料でご利用いただけます。画像のトリミングや合成など、自由に加工してご利用いただけます。また著作権表記(クレジット表記)、リンクは一切不要です。但し、pro.foto では、加工の有無を問わず当サイトの画像をご自身の作品(著作物)として公開・発表する行為は禁止事項とさせていただいております。

とのことでした。そのため、pro.fotoの画像はNFTアートの素材としては「使用できない」という結論に至りました。

ただ、利用規約の禁止事項に違反していないか判断がつかない場合は、『使用許諾証明発行サービスページ』から個別に審査し、使用可能な場合は使用許諾証明を発行してもらえるみたいなので、どうしても使用したい画像がある方は一度審査の申請をしてみてもよいかもしれません。ただ、使用可能な場合のみ”証明書発行の事務手数料2,000円(税込)”がかかります。

Pexels

以下返信内容(一部抜粋)です。

ストックイメージを使用したNFTアートワークの販売には、拡張ライセンスが必要ですが、弊社では提供しておりません。
Pexelsの画像を販売するNFTアートワークとして使用できるのは、絵画、図面、イラストの参考資料として使用する場合のみです。 単に画像を合成したり、Photoshopで編集したりすることで写真を加工し、NFTとして販売することはできません。

とのことでした。そのため、Pexelsの画像はNFTアートの素材としては「使用できない」という結論に至りました。

BURST

以下返信内容(一部抜粋)です。

Burst利用規約によりますと、「Licensed Content」下に「Some Content on the Website and the Application is made available for use under a nonexclusive license (“License”) to download, copy, modify, distribute, perform, display and use such Content (“Licensed Content”) in accordance with these Burst Terms of Service. 」との表記がございますので、他のアートを作成するために、素材をお使いになることは可能でございます。また、加工方法について特に限定されているということはないものと存じます。

ただ、同じく利用規約に、「You may not (途中省略)(iii) offer the Licensed Content for sale in any way. You agree not to download, copy, modify, distribute, perform, display and/or use any Licensed Content unless you comply with the License in addition to these Burst Terms of Service.」との記載がございますので、Burstからの素材をお使いになられた場合は、販売を行っていただくことができかねるものと存じます。詳細に関しては、利用規約をご確認いただけると幸いです。よろしくお願いたします。

とのことでした。そのため、BURSTの画像はNFTアートの素材としては「使用できない」という結論に至りました。

Unsplash

以下返信内容(一部抜粋)です。

The photos on Unsplash are free to use and can be used for most commercial, personal projects, and for editorial use. You do not need to ask permission from or provide credit to the photographer or Unsplash, although it is appreciated when possible. We’ve added some more in depth information below for you. 
Further info
Photographers who upload their photos to Unsplash grant users a free copyright license to their photos. A copyright license doesn’t mean that photo can be used for every kind of use, and further approvals may be required. Just like any other photo sharing or stock photography site, other legal rights should be considered related to how the photo will be used. 
For people, places, and things, there are rights of privacy and publicity, access rights, trademarks, and copyright for what’s depicted within the photo.
Commercial use considerations: 
  • Recognizable people, including celebrities, have the right to profit from commercial use of their name, image and likeness as well as the right to object to their name, image or likeness being used without approval.  
  • Private property, restricted access areas, and ticketed entrylocations often have photo shoot policies and specific release requirements for commercial uses.
  • Objects that appear in the photo may have copyright or trademark protection that prohibit use of the photo without permission (for example,a person wearing a t-shirt with a brand logo on it).
While photographers agree that photos uploaded to Unsplash have model 
releases, there is no reasonable way for us to monitor all photos that get uploaded 
to Unsplash. We cannot make any guarantees about the scope of permitted uses. 
We recommend reaching out to the photographer to clarify whether they have a 
model or property release. You can do this directly via the ‘message’ button on the 
photographer’s profile. 
For more information, please see our Terms & Conditions.
Prohibited usage
Redistribution of the photos ie. offering the photos for download (free or for sale) is strictly prohibited. 
Photos cannot be sold without significant modification.
We do not offer a license that enables the selling of the images, or as prints and printed on products. You could however try reaching out the the photographer directly to discuss this. Should you wish to contact a photographer, you can do so via the ‘message’ button on their profile, if they have chosen to enable this feature.
Please note: We are unable to advise on individual image usage cases. If you still aren’t sure, you should probably talk to a lawyer who will be able to advise you further.」
英語で返信が来ました。。。
このままでは全然わからないので以下翻訳サイトを使用した翻訳です。

Unsplashの写真は無料で使用でき、ほとんどの商業的、個人的なプロジェクト、および編集目的で使用できます。写真家やUnsplashに許可を求めたり、クレジットを提供したりする必要はありませんが、可能な場合はそれを歓迎します。以下に、さらに詳細な情報を追加しました。

詳細情報:写真をUnsplashにアップロードする写真家は、ユーザーに写真の無料著作権ライセンスを付与します。著作権ライセンスは、写真があらゆる種類の用途に使用できることを意味するものではなく、さらなる承認が必要になる場合があります。他の写真共有サイトやストックフォトサイトと同様に、写真の使用方法に関連して他の法的権利を検討する必要があります。
人、場所、物には、写真に描かれているもののプライバシーと宣伝の権利、アクセス権、商標、著作権があります。

商用利用に関する考慮事項:有名人を含む有名人は、自分の名前、画像、肖像を商業的に使用することで利益を得る権利と、承認なしに使用されている自分の名前、画像、肖像に異議を唱える権利があります。
私有地、立ち入りが制限されたエリア、チケットを購入した入場場所には、多くの場合、写真撮影のポリシーと、商用利用のための特定のリリース要件があります。
写真に表示されるオブジェクトには、許可なく写真を使用することを禁止する著作権または商標保護が適用されている場合があります(たとえば、ブランドロゴが付いたTシャツを着ている人)。
写真家はUnsplashにアップロードされた写真にモデルがあることに同意します
リリースでは、アップロードされたすべての写真を監視するための合理的な方法はありません
スプラッシュを解除します。許可された使用範囲については保証できません。
写真家に連絡して、写真家が
モデルまたはプロパティのリリース。これは、の[メッセージ]ボタンから直接行うことができます
写真家のプロフィール。
詳細については、利用規約をご覧ください。
禁止されている使用法
写真の再配布、すなわち。写真をダウンロード(無料または販売)で提供することは固く禁じられています。
大幅な変更を加えずに写真を販売することはできません。
このタイプの画像の使用法について詳しくは、https://help.unsplash.com/en/articles/2612317-can-i-use-unsplash-photos-as-part-of-a-product-to-をご覧ください。売る
画像の販売、または印刷物や製品への印刷を可能にするライセンスは提供していません。ただし、写真家に直接連絡して、これについて話し合うこともできます。写真家に連絡したい場合、写真家がこの機能を有効にすることを選択した場合は、プロフィールの[メッセージ]ボタンから連絡できます。
注意:個々の画像の使用例についてアドバイスすることはできません。それでもわからない場合は、さらにアドバイスできる弁護士に相談する必要があります。」

だいぶ長文になってしまいましたが、簡単にまとめると、

基本的には使用は自由だけど、フリー素材とはいえ「人や、特定の場所、特定の物」の場合は著作権があるのでそういった画像をNFTアートの素材として使用したい場合は許可を取る必要があるよ。

ということでした。

じゃあ”個人や特定の建物でない動物の場合はどうなの?”と思ったので、

「たとえば、鹿の写真を使いたいと思います。その場合、個人を特定できると判断することはできません。そのような場合、自由に使用しても大丈夫ですか?」

と質問したところ「はい :)」と返事が来ました。

とはいえ、「疑わしい場合は、写真家に連絡して、使用に問題がないかどうかを確認するのが最善の方法です。」とも来ました。

なので、実際にUnsplashに画像をアップしている方にメッセージを送ってみたので、その結果も報告しようと思います。

質問内容:

「画像加工を用いたNFTアートを今後作成予定なのですが、その際にお写真の素材を使用したいのですが、よろしいでしょうか。」

↑こんな感じで質問してみたので早速実際の返信内容を見ていきましょう。

返信1人目:

はじめまして!ご連絡ありがとうございます
画像のnft 使用に関しては全く問題ありません
どんな作品が出来るのかとても興味があります
とても優しい方で使用のOKいただくことができました。
_
返信2人目:
Hello, thanks for contaceing me Can you show me?
(こんにちは、私に連絡してくれてありがとう私に見せてもらえますか?)
とのことだったので、加工後の作品をお見せしたところ、
Okay man yes you can use it for the nft.Good luck!
(はい、nftに使用できます。頑張ってください!)
となんとも気さくな感じの方でOKいただくことができました。
_
返信3人目:
That is a nice idea to use the picture as NFT. While there is legally no need to ask for permission to use my photos it is nice that you asked. So my reply is that if you plan to sell the NFTs and use it for commercial purposes, it would be nice if you donated part of the proceeds (like 5%). However, I cannot ask you to do this and I leave it up to you. I uploaded the pictures so they are freely usable so this is entirely up to you if you wish to say thank you this way. If not, I will not be offended 🙂
(それはNFTとして写真を使用するための良いアイデアです。私の写真を使用する許可を法的に求める必要はありませんが、あなたが求めたことは素晴らしいことです。ですから、NFTを販売して商業目的で使用する場合は、収益の一部(5%など)を寄付していただければ幸いです。しかし、私はあなたにこれをするように頼むことはできません、そして私はあなたにそれを任せます。写真をアップロードして自由に使えるようにしましたので、このようにありがとうと言いたいのであれば、これは完全にあなた次第です。そうでなければ、私は気分を害することはありません:))
こちらも丁寧にお返事してもらいOKいただくことができました。
_
返信4人目:
Thank you for your interest however I am going to decline.
(ご関心をお寄せいただきありがとうございます。ただし、辞退させていただきます。)
Unsplashに画像をアップしている方であっても、辞退(断り)される方もいました。
_
Unsplashまとめ:
Unsplashに関しての個人的な見解は、
人や物など特定の著作物となる画像をNFTの素材として使用してはいけないが、そうでなければ基本的にはOK。もしどうしても気になる場合は画像をアップしている本人に一度確認してみるとよい。実際に聞いてみたら基本的にみんなOKしてくれるが、中には断る方もいた。
という感じでした。

Pixabay

こちらのサイトは問い合わせフォームが見つからなかったため、利用規約を元に推測していきます。

まず、pixabayの場合は、投稿者が著作権を放棄した状態で提供されているので、基本的には、著作権が問題になることはないみたいです。

ただ先ほどのUnsplashのように、投稿者が著作権を放棄した状態であったとしても、人に関しては写っている写真が投稿者本人か判断がつかないため、許可が必要な可能性があります。

ちなみに厳密には人の場合は”肖像権”の方が問題になる可能性があります。

肖像権=プライバシー権+パブリシティ権

プライバシー権:自分の写真が勝手に知らないところで使用されない権利

パブリシティ権:有名人が有名であることを財産価値としてもっている権利

簡単に書くとこんな感じですが、気になる方は一度詳しく調べてみてください。

また、特定の敷地内で撮影された建物に関しては管理者の許可が必要で、敷地外で撮影されたものでも、例えばパリのエッフェル塔の夜景はそれ自体に著作権がかけられているため許可申請の対象になります(EUの著作権法によって守られているため)。

Pixabayまとめ:

Pixabayに関してはUnsplash同様、

個人や特有の場所である懸念点のある画像以外のものを使用するのが望ましい。

という考えに至りました。

iStock(有料素材サイトですが一応聞いてみた)

以下返信内容(画像もきたのでそのまま転載)です。

内容としては、追加ライセンスを購入することで、NFTの素材としても使用可能みたいです。

Pixta(有料素材サイトですが一応聞いてみた)

以下返信内容(一部抜粋)です。

今回ご検討のご利用用途に関しまして、素材を用いて使用される場合、禁止事項に該当する使用となる可能性がございます。購入後(ダウンロード後)も素材の著作権自体はクリエイターに帰属致します。特許庁等への申請の有無に関わらず、禁止事項に該当するような利用(著作権等の権利が高橋様に発生する利用)はいただけません。合わせて、盗用のような使用もできかねます。当社ではご利用用途の詳細が分かりかねますので、ご自身にてご判断の上禁止事項に該当するご利用はお控えいただけますようお願い申し上げます。

とのことでした。そのため、Pixtaの画像はNFTアートの素材としては「使用できない」という結論に至りました。

まとめ

NFTアートの素材として使用できないサイト

・写真AC(ACワークス)

・pro.foto

・Pexels

・BURST

・Pixta(有料素材サイト)

NFTアートの素材として使用できるサイト(一部条件あり)

・Unsplash

・pixabay

・iStock(有料素材サイト)

今回いくつかの素材サイトに問い合わせをしてみましたが、自分は法律関係の人間ではないのと、その時々によって運営サイトの方針も変わってきたりするので、今回の記事はあくまで参考材料としてみていただければと思います。

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